前回、焼き物4種類のうちの「陶器」「磁器」についてご紹介しました。
この2つは皆様なじみがあるので分かりやすかったと思います。
では残りの「炻器」「土器」についてはどうでしょう?
まずは三つ目、聞いた事あるような無いような「炻器(せっき)」
半磁器、焼締めとも呼ばれ、陶器と磁器の中間のような性質を持っています。
素地は茶色、透光性はない(=陶器と同じ)
石の様に硬い、吸水性がない、釉薬をかけない(=磁器と同じ)
釉薬をかけず地肌なので、絵付けされないことがほとんどですが
西洋では浮彫りやレリーフで装飾してあるもの多く美術品のようです。
日本では備前焼など、西洋ではウェッジウッドのジャスパーウェアなど。
ちなみにジャスパーの鮮やかな色は釉薬ではなく、土自体に色素を含ませています。
土っぽくもツヤのある炻器は独特の魅力があります。
焼成温度は1200〜1300℃。
最後四つ目は、焼き物のはじまり「土器」
土器と聞くと縄文土器や弥生土器、埴輪などを思い浮かべますよね。
なんと、世界最古の土器は約2万年前
人類がはじめて化学的変化を利用して作った器なんです。
粘土を練り固めて焼いたのは同じなのですが、
もちろん窯などなく「焼成坑」という穴で野焼きしていたのです。
野焼きだと焼成温度が低く、成分がガラス化しないので
ほとんど土粒子だけの「素焼き」の状態で仕上がります。
壊れやすいのですが、水が透りやすく軽いので
現在では素焼き鉢やテラコッタなどの園芸用品としても見られます。
焼成温度は700〜900℃。
このように、一括りに「焼き物」といっても
これだけの種類があり時代ごとに移り変わってきたのです。
それぞれの特性と魅力を知ることで、
さらに「焼き物」を楽しんでいただけるのではないでしょうか♪
遊技心スタッフ 杉江