今回のお話は〜伝統的な技法の確立編〜です。
前回までは、「中性炎で焼かれた焼き物は釉薬の発色が弱く
色のバリエーションが渋いものに限られる」という内容でした。
渋い色合いも良いけれど、やはり他とは違う特徴がないと…
そこで、丹波立杭焼の作り手たちは「洒落た形」にこだわり、
特に丹波立杭焼を代表する徳利においては、瓢箪形徳利をはじめ、
縁起物とされる大きな海老が描かれた「海老徳利」や
和ろうそくの形をした「ろうそく徳利」、
浮徳利、エヘン徳利、傘徳利、鶴首徳利、筒描貧乏徳利など、
50種類を超える多種多様の形の徳利を生み出しました。
また色の分野においても、現在では作ることは非常に難しいとされる
「赤土泥(あかどべい)」(陶土の上に鉄化粧をした焼き物。)
という非常に美しい緋色の焼き物を完成させました。
こうして江戸中期以降、優れた造形物を数多く生んだ丹波ですが
明治に入ると磁器などの人気押され、衰退の一途…。
がしかし、そこからまた丹波立杭焼は進化を遂げていくのです!
次回、伝統的な技法の確立編 2 へつづく。
遊技心スタッフ 杉江